家屋の評価について
被相続人の財産を相続するにあたり、相続税や贈与税を算出する際の基準となる課税価格のことを「相続税評価額」といいます。
被相続人が居住していた家屋を相続する場合も相続税評価額の計算方法を用いることになりますが、家屋の利用条件によって評価額は変動します。
ここでは家屋の評価について、条件別にご説明いたします。
ケース1:自用家屋
自用家屋とは所有者本人が使用している家屋のことで、被相続人の居住および事業で使用されていた場合、固定資産税評価額を相続税評価額として扱います。
家屋の相続税評価額=固定資産税評価額×1.0
なお、固定資産税の基準となる評価額である固定資産税評価額の確認は、市区町村から届く課税明細書で行えます。
ケース2:貸家
被相続人が所有し他人に貸していた物件(賃貸物件)を相続する場合、相続税評価額の算出は以下の計算式により行います。
なお、賃貸割合とは貸している物件の床面積の割合のことで、床面積が広くなるにつれ評価額は下がります。
家屋の相続税評価額=自用家屋評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)
ケース3:建築中の家屋
被相続人が家屋を建築中に亡くなった場合、その家屋に対して支出した費用原価の70%相当額が相続税評価額となります。
上記以外のケースとなる「使用貸借によって貸し付けされた家屋」については、 自用家屋評価額が適用されます。
※構造上家屋と一体化している設備(電気・ガス設備、衛生設備、給排水設備等)は家屋の評価額に含まれます。
相続財産に借家がある場合
相続財産のなかに借家がある場合、その権利(借家権)に対する評価額も算出しなければなりません。
借家権の相続税評価額=自用家屋評価額×借家権割合×賃貸割合
しかしながら借家権については地域や慣習によって扱いが異なる場合があるため、権利金等の名称にて取引されていない地域は対象外になります。